*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨ビットコイン( BTC )は日本時間9月18日夜から19日未明にかけて急騰し、8万ドル台を回復した。
背景として、米上院でクラリティー法案の審議が停滞する一方、米証券取引委員会(SEC)はトークン化株式の取引を促進する措置を公表。米商品先物取引委員会(CFTC)も、既存の権限を活用した暗号資産取引のルール整備を進めており、法案の成立を待たずに制度整備を進める姿勢が好感されたとみられる。
加えて、米下院歳入委員会では暗号資産税制の明確化を目指す法案も可決され、米国の制度整備を巡る過度な悲観が和らいだと考えられる。
また、原油価格の低下も上昇を後押しした。サウジアラビアの原油供給を巡る懸念が一服し、原油先物価格が下落したことも支援材料となったほか、アンソロピックIPOの時期が後退したとの報道も上昇を下支えした。
成行注文の動向を見ると、現物市場を中心に買いが優勢となっている。実態を伴う現物需要が価格上昇を支えているとみられる。
先物市場では、先物価格が現物価格を下回るバックワーデーションが確認されているおり、短期的に需給が引き締まっている。
オプション市場を見ても、価格が上昇しているにもかかわらず、プットコールレシオは低い水準を保っており、市場参加者は上目線であることが考えられる。
清算水準の分布を見ると、現値に近い上方の価格帯に、ショートポジションの清算が予測される領域がある。価格が上昇してこの水準に達した場合、ショートカバー(売りポジションの買い戻し)が重なり、上昇を加速させる可能性がある。
今回の上昇は、クラリティー法案の審議停滞を受けて強まった政策面への悲観を、規制当局の具体的な対応が和らげた動きと捉えられる。SEC・CFTCによる制度整備や暗号資産税制法案の委員会通過を受け、トランプ政権下での暗号資産政策が引き続き前進するとの期待が持ち直した。原油価格の下落も重なり、現物買いを伴う反発につながったと考えられる。
一方、中間選挙を控えるなか、議会での合意形成や政策の継続性を巡る不透明感は残る。クラリティ法案への反対姿勢を示す民主党議員の動向に加え、選挙後の議会構成によっては、包括的な法整備がさらに遅れる可能性もある。規制当局による対応が進んでも、民主党勝利などに伴う方針変更への懸念は依然として存在する。