暗号資産(仮想通貨)分析企業のクリプトクアントは16日、週間市場レポートを発表。ビットコイン( BTC )はまだ強気圏にとどまっているものの、モメンタム(勢い)の停滞やマクロ経済の要因が短期的には逆風となっていると分析した。
マクロ経済要因としては、クラリティー法案の審議入りが可決に必要な60票の賛成を得られなかったことを挙げた。倫理規定をめぐる党派対立により頓挫した格好だ。
また、FRBは16日、金利誘導目標を0.25%ポイント引き上げ、3.75~4.00%とすることを決定した。利上げは2023年7月以来となる。流動性を引き締めることになるため、仮想通貨のようなリスク資産にとっては逆風だ。
クリプトクアントは、ビットコイン価格は7万6,000ドル〜8万2,000ドルのレンジで推移しており、現在はその下限付近で取引されているところで、上昇の勢いが弱まっていると指摘した。
オンチェーン、市場、バリュエーションに関する10種類の指標を統合したクリプトクアント独自のビットコイン「ブル(強気)スコア」は80から60へと低下。ブルスコアは0〜100の数値で表されるもので、60以上の数値は強気な状態を示している。
クリプトクアントは、強気の閾値(60超)は維持しており、このことからは市場の減速が示されるが、弱気へ転換したわけではないと見解を述べた。
米国投資家の需要を示す指標であるコインベース・プレミアムは再びマイナスとなっており、米国の需要が鈍化していることを示唆する。プレミアムのマイナス化は、これまでも繰り返し上昇の重石となってきた。モメンタムを回復させるには、米国の買い手が市場に戻ってくる必要がある。
クリプトクアントは、イーサリアム( ETH )やその他アルトコインについては、取引所への流入が増加しており、これが短期的な売り圧力の要因となっていると分析した。取引所への流入増加は、通常、保有資産の売却に先行する動きだ。
イーサリアムの取引所流入量は8月下旬と9月10日頃に急増し、約160万〜170万ETHに到達している。また、アルトコインの流入トランザクション数(7日間累計)は、9月8日に5万6,000件に達した。これはバイナンス主導によるもので、過去9か月間で1日あたり最多となる。
対照的にビットコインの動きは落ち着いている。流入量は一度急増したものの、その後は減少した。ビットコインの取引所流入量は、価格が8万2,000ドルに向けて上昇した際に一時5万3,000BTCへと急増したが、その後は比較的低い水準で推移している。
クリプトクアントは、ビットコインの売り圧力が限定的であることからは、ビットコインの「クールダウン(過熱感の解消)」は、本格的な売り局面の始まりというよりは、むしろレンジ相場の状態を示すように見えると見解を示した。
サポートラインとしては7万ドルおよび6万2,000ドル〜6万5,000ドルの水準に注目するとも述べる。