米仮想通貨資産運用会社ビットワイズの最高投資責任者を務めるマット・ホーガン氏は16日付のメモで、同日に米上院の採決手続きで否決されたクラリティー法案の不成立が、7月以降続く仮想通貨の強気相場を頓挫させる可能性は低いとの見方を示した。
法案は可決に必要な60票に届かず49票にとどまり、全民主党議員が反対したほか共和党議員の一部も反対に回った。
ホーガン氏は、ビットコイン( BTC )価格とクラリティー法案成立確率の推移を重ねたチャートを示し、両者が逆相関の動きを見せたと指摘した。。
ビットコインは7月1日に57,950ドルで底を打ち9月4日には8万ドルを上回った一方、ポリマーケットが示す同法成立確率は同時期に39%から18%まで下落しており、法案成立への期待が強気相場を支えていたわけではないと指摘した。
ホーガン氏は、ウォール街がクラリティー法案の成立を待たずに仮想通貨事業へ参入してきた点を挙げ、ロビンフッドによる独自ブロックチェーンの展開やモルガン・スタンレーのソラナ現物ETF投入、DTCCによるトークン化株式の決済開始をその例とした。米SECと米CFTCが2029年まで仮想通貨に前向きな姿勢を維持するとの見立てが、金融大手の参入を後押ししたとしている。
また、米資産運用会社バーンスタインのアナリストチームを率いるゴータム・チュガニ氏らは、今後の規制策定の主導権がSECとCFTCに移るとし、両当局が個別の具体的なルール策定に軸を置きながら積極的かつ迅速に対応するとの見解を示した。
両当局が扱う論点として、仮想通貨トークンの分類やDeFi・セルフカストディ基盤の保護、株式のトークン化のルール整備に加え、実物資産(RWA)担保型無期限先物の承認迅速化や単一株式向け無期限先物での連携余地を挙げたという。
予測市場プラットフォームのポリマーケットでは、同法案が2026年中に成立する確率が2月時点の82%から採決前には16%まで下落してきている。
米SECのポール・アトキンス委員長は、クラリティー法案の実現に尽力した政権関係者や議会、投資家、イノベーターに謝意を伝えるとともに、米国の主導的地位への確信は揺るがないとし、立法の有無にかかわらずSECの法定権限の範囲内で必ず行動する方針を示した。
また、米CFTCのセリグ委員長も上院採決の結果を残念だとしながら、米国人は規制の明確性や法的確実性、消費者保護を享受すべきだと強調し、トランプ大統領が公約する仮想通貨の規制市場構造の実現に向け、既存の法定権限を用いて米国を仮想通貨の中心地として維持しつつルール整備を進める方針だと表明した。