アバランチ(Ava Labs)は14日、UAEの連邦電気通信・デジタル政府規制庁(TDRA)が国民向けデジタルIDプラットフォーム「UAE PASS」の基盤を刷新すると発表した。文書管理を担う「デジタルボルト」の基盤インフラを、アバランチ(AVAX)にアップグレードする。TDRAはUAE PASSの運営主体で、既存のブロックチェーン基盤を専用のアバランチL1へ刷新する。
UAE PASSは1250万人超の市民・住民・訪問者が利用し、1万5000以上の行政・民間サービスに対応、350以上の政府・民間機関が接続する国家規模の基盤だ。デジタルボルトはブロックチェーンを使い、検証済み文書の保管・共有を担う。
今回の刷新の焦点は、共有ブロックスペースではなく専用のアバランチL1を採用した点にある。共有チェーンでは他の利用者のトラフィックが処理速度に影響しうるが、専用L1なら1250万人規模の検証処理が外部要因に左右されにくい。参加条件やネットワーク設定もTDRAが単独で決定できる。
アバランチによれば、TDRAはデジタルボルト全体の統括責任を負っており、こうした運用上の主導権を保つことが政府システムでは特に重視されるという。TDRAはDeca4と連携し、アバランチの技術基盤をデジタルボルトに統合する。
同様の設計は米国にも例がある。カリフォルニア州のDMV(自動車運輸局)は、4200万件の車両登録証をDMV自身が運用するアバランチL1上でデジタル化し、従来は約2週間を要していた名義変更手続きを数分に短縮した。
UAEと米国、身分証明と資産登録という異なる分野で、行政機関が同じアーキテクチャに行き着いた格好だ。アバランチはこの事例を、公共インフラにおけるブロックチェーン活用の参考事例と位置付けている。