金融庁は4日、令和7年度(2025年7月~2026年6月)の金融行政に関する実績報告書を発表。暗号資産(仮想通貨)の制度改革を含む「デジタルを前提とした新たな社会がもたらす環境変化を踏まえた戦略的な対応」について、目標達成と評価している。
まず、暗号資産取引規制の金融商品取引法への移管や、インサイダー取引規制の創設などを盛り込んだ金商法の改正法案を国会に提出し、2026年7月に成立させたことを挙げた。
この法案では、所得税・住民税を合わせて最高55%が課される総合課税から申告分離課税(税率20%程度)への移行と、損失の3年間繰越控除も盛り込まれている。なお、税制変更は金商法改正の施行を条件とするため、施行が2027年度の場合、課税の変更は2028年1月1日からとなる見込みだ。
次に、ステーブルコインの活用促進については、民間事業者との対話を進めたこと、信託型ステーブルコイン裏付け資産の管理・運用の柔軟化などを盛り込んだ改正資金決済法について、2026年6月に施行したことを挙げた。
事業者のブロックチェーン活用などによる決済高度化の取組みを後押しするため、「Fintech実証実験ハブ」内に「決済高度化プロジェクト」を立ち上げ、3メガバンクによる円建てステーブルコインの共同発行と活用事例への支援を開始している。
各銀行がバラバラにステーブルコインを発行することで生じる規格の乱立を防ぎ、デジタル決済の普及を加速させることが目的だ。
さらに、ブロックチェーンを活用した証券の受け渡しとステーブルコインによる決済を同時に実現させることや、トークン化預金の銀行間移転における決済円滑化の取組みへの支援も開始している。
セキュリティ面では、自主規制機関とも連携しながら、各事業者の暗号資産などの管理に関して、セキュリティの高度化を促進。検査・監督やサイバー演習などを通じて、サイバーセキュリティ水準の向上を促した格好だ。
また、2025年6月から12月にかけて「金融庁AI官民フォーラム」を開催し、AI(人工知能)利活用の状況、AIに関連するリスクマネジメント・ガバナンスの取組み、規制適用の明確化を必要とする場面などに関して議論を行った。
今後については、デジタル技術による金融サービスの健全な発展が日本における社会課題の解決に寄与することを促すような政策を進めるために、事業者らと密に意見交換を行い、取り組むべき課題の特定とその解決に努めていくことが必要だとしている。