国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
今週の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は小緩む地合いに終始し、14日正午時点で、1010万円周辺で推移している。
週明けの相場は1030万円周辺で取引が始まったが、米国とイランの双方が戦争による賠償を請求し合うなか、和平合意への期待感後退から原油価格が急騰し、米国時間には1020万円周辺まで下落した。
翌11日にはイランが改めてホルムズ海峡封鎖解除を拒否し、相場は1020万円を下抜けた。
週央には、1020万円回復を試すも、7月の米消費者物価指数(CPI)通過後に米金利が上昇し、1020万円回復に失敗。その後も底堅い推移が続いたものの、1020万円回復には至らず、方向感を模索する展開となっている。
米国のインフレ指標が発表されることから、今週はボラタイルな展開を想定していたが、BTC相場は明確な方向間に欠ける展開が続いた。
米CPIと卸売物価指数(PPI)は共に前年比でインフレの鈍化を示し、FF金利先物市場では、9月FOMCでの利上げ観測が後退した。
ウォーシュFRB議長は、8月のインフレ指標次第では9月会合で利上げに踏み切る準備があると明言していたことから、今週のインフレ指標は市場にとって一定の安心材料となったと言えよう。
ただ、中東情勢を巡っては、米国とイランの和平合意に向けた進展は確認されない。今週は幸い、IEAの月次レポートで世界的な原油需要の減速が指摘されたことで、原油価格の上昇に歯止めが掛かったが、イラン戦争のエスカレーションには引き続き警戒を要する。
また、今週のBTC相場の下落のタイミングは、主に米国時間序盤に集中しており、やや違和感が残る。この時間帯は為替や株式市場が動きやすいタイミングでもあるが、毎日同様の値動きを繰り返していることから、大口による機械的な売りを浴びせられている可能性もあるか。
いずれにせよ、インフレの火種となる原油価格を左右するイラン戦争の終結が遠のくなか、利上げ観測後退というマクロ面の支援材料は想定していたほど機能しておらず、今週のBTC相場は地合いの弱さを印象付ける値動きとなった。
来週も引き続き、利上げ観測の後退が相場の下支えとなりつつも、中東情勢を睨み小緩む展開が継続すると見ているが、足元ではBTC先物市場の資金調達率が上昇しており、ロングポジションのロスカットによる相場の急落には注意しておきたい。