金融庁は8月7日、「主要行等向けの総合的な監督指針」等の一部改正案を公表した。コンピュータシステムの障害やサイバーセキュリティ事案が発生した際に事業者が当局へ提出する報告様式を、関係省庁申合せに基づく共通様式へ統一する内容。暗号資産交換業者向けの事務ガイドラインを含む17分野の監督指針等が対象となる。
改正の背景には、「サイバー攻撃による被害が発生した場合の報告手続等に関する申合せ」(2025年5月28日関係省庁申合せ)の改正がある。従来はDDoS攻撃事案とランサムウェア事案のみ共通様式での報告が可能だったが、それ以外の事案にも使える新様式が整備される見通しだ。
改正案では、事業者からの報告区分を3種類に整理した。DDoS攻撃事案はDDoS攻撃事案共通様式、ランサムウェア事案はランサムウェア事案共通様式で報告する。両区分に該当しない事案は、新設の「その他サイバー攻撃等事案共通様式」で報告することになる。
暗号資産交換業者関係の事務ガイドラインでは、システム障害等が発生した場合の報告手続きに関する項目がこの3区分に沿って書き換えられる。財務局が暗号資産交換業者から報告を受けた場合、直ちに金融庁の担当課室へ連絡する運用は変更しない。
経過措置も設けた。2027年3月末までは、経済安全保障推進法上の特定社会基盤事業者に指定された事業者以外に限り、従来の「障害発生等報告書」による報告も認める。指定事業者は改正後の共通様式への対応が必要になるとみられる。
意見募集の期間は2026年9月7日17時00分まで。パブリックコメントの終了後、所要の手続きを経て監督指針等の改正が適用される予定で、暗号資産交換業者を含む対象事業者は今後の正式決定を踏まえた実務対応が必要になる。