現実世界の資産トークン化(RWA)プラットフォームの米セキュリタイズと米投資銀行キャンター・フィッツジェラルドは15日、上場企業がIPO(新規株式公開)や追加株式発行をブロックチェーン基盤で実施できるようにする業務提携を発表した。
提携の枠組みでは、キャンター・フィッツジェラルドが株式資本市場業務と取引機能を担い、セキュリタイズがトークン証券の発行・流通・管理に用いるインフラを提供する。引受・決済プロセスにはセキュリタイズのSEC登録ブローカー・ディーラー子会社であるセキュリタイズ・マーケッツが参加する体制となった。
ブロックチェーン基盤の活用により、透明性の向上、業務効率の改善、所有記録の現代化、世界の投資家基盤へのアクセスが可能になると両社は説明した。既存の公募市場の規制枠組みを維持しながら実現する方針も明示した。
セキュリタイズの共同創業者兼CEOのカルロス・ドミンゴ氏は「企業がブロックチェーン技術の恩恵と伝統的な資本市場へのアクセスのどちらかを選ぶ必要はない。この提携は既存の規制枠組みの中でオンチェーンの資本形成を支える能力を結集するものだ」と述べた。
両社は今回の発表以前にも協力関係にあった。キャンター・フィッツジェラルドは2025年10月、傘下のSPAC(特別買収目的会社)であるキャンター・エクイティ・パートナーズIIを通じてセキュリタイズの株式公開を支援する合意を結んだ。
調達額は約4億ドルで、上場前の企業価値は12億5,000万ドルとされた。取引は2026年7月1日に完了し、セキュリタイズは翌2日にニューヨーク証券取引所に上場した。
セキュリタイズは2026年5月時点で運用資産残高40億ドル超を持ち、ブラックロックやアポロ、KKR、ハミルトン・レーン、バンエック等の大手資産運用会社とトークン化ファンドを展開している。
キャンター・フィッツジェラルドの共同CEOでグローバル株式部門責任者のパスカル・バンドリエ氏は、2025年の米IPO引受実績で首位に立ったキャンターの専門性をオンチェーンに持ち込むと語り、トークン化が主流の資本市場に組み込まれつつあるとの見方を示した。