ファントム・テクノロジーズとハイパーリキッド・ポリシーセンターは9日、米商品先物取引委員会(CFTC)に対して共同で意見書を提出した。オンチェーン取引インフラに関する規制の改正を要請した。
現在のCFTC規則は中央集権的な仲介業者に依存する従来の金融システム向けに設計されたものであり、分散型金融(DeFi)などを想定したものではないと訴える内容だ。
具体的には、中間業者が顧客の注文や資金を管理する市場構造が前提とされているが、オンチェーン技術は、顧客同士が中間業者を介さずにピア・ツー・ピア(P2P)で取引することを可能にしていると述べた。
これにより仲介業者による注文の不正処理、資金の紛失や盗難などの顧客リスクを回避することが可能だと続け、CFTCはオンチェーン技術のより広範な使用を許可するように規制を調整する必要があると主張した。
なお、ファントム・テクノロジーズは暗号資産(仮想通貨)ウォレット「ファントム」を開発・運営する米国企業。ハイパーリキッド・ポリシーセンターは分散型取引所ハイパーリキッドに関する政策提言・規制対応を目的としたシンクタンクである。
CFTCは「規制が金融イノベーションに与える影響」に関して情報を募集しており、今回の意見書はこれに応じたものだ。
具体的には、主に以下の3点で措置を講じることを求めた。
1点目については、オンチェーン・プロトコルのソフトウェアを開発・提供するのみで、このソフトウェアの利用に対する継続的な管理権限を行使することがない場合は、商品取引所法(CEA)におけるCFTCへの登録義務を発生させないようにすべきだとした。
2点目については、CFTC規制下の指定契約市場や仲介業者が、オンチェーン技術をCEAの基本原則やCFTCの規則に整合する形で活用できる方法についてガイダンスを策定することを求めた。
活用する業務については、例えばマッチング、清算、決済、証拠金管理などを挙げた。特に、システム保護規則、資金分離規則、記録保存要件の分野において、オンチェーン・プロトコルに適合する基準が必要だと意見した。
3点目については、ユーザーの資金や秘密鍵を管理しない「非カストディアル型」のウォレットやフロントエンド・インターフェースは、単に市場への技術的なアクセス手段を提供しているに過ぎないと指摘。これらが「導入ブローカー(IB)」として扱われないようにすることを求めた。
CFTCは3月、ファントムに対してノーアクション・レターを発行した経緯がある。ファントムが計画するデリバティブ取引インターフェースの提供・マーケティング活動について、仲介ブローカーとしての登録義務を免除する内容だ。今回の意見書は、この内容を規則として明文化することを要請した。
トランプ米政権下において、マイケル・セリグ委員長率いるCFTCは、仮想通貨により柔軟で受容的なアプローチをとっている。5月には、予測市場カルシによる、米国で初めて規制対象となるビットコイン無期限先物契約を承認した。
一方で、従来型金融からは反発もあり、世界最大のデリバティブ取引所であるCMEグループは6月に無期限先物の承認に異議を唱えてCFTCを提訴。無期限先物は「先物」ではなく「スワップ」として分類されるべきだと主張した。