米財務省は1日、2026年8月に開始を発表したイランに対する新たな経済制裁プログラム「オペレーション・エコノミック・アウトキャスト」の一環として、A7ネットワークに対して異例の対応を行ったと発表した。
発表によると、A7ネットワークは、イラン政府やイスラム革命防衛隊(IRGC)が制裁を回避するために利用するシャドーバンキングネットワークで、ロシアとも関係を持つ。今回米国は、金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が規則案を提案したり、警告を発したりするなどの措置を講じた。
オペレーション・エコノミック・アウトキャストは、イランやイランと関連する組織を対象にしており、世界に広がるイランの金融ネットワークを断ち切って孤立させることが目的。制裁対象には暗号資産(仮想通貨)も入ることから、8月の発表時には仮想通貨領域でも注目を集めた。
今回はFinCENが、A7ネットワークの第三国拠点のフロント企業群「Sub-Agents」を含む関連取引について、資金の送金を禁止する規則案を提案。Sub-Agentsとは、制裁対象者の取引を通常の商業取引に偽装するための企業群を指す。
今回の発表では、Sub-Agentsが2025年1月から2026年6月に合計で170億ドル(1ドル=157.83円換算で約2.7兆円)以上の取引を処理したことがFinCENの捜査で明らかになったと説明した。
また、FinCENは警告を発出し、A7ネットワークに関連する疑わしい取引を金融機関が発見・報告できるよう、注意すべき兆候(レッドフラッグ)の一覧を示した。
他にも、外国資産管理局(OFAC)が、A7ネットワークを重大な国際犯罪組織として制裁対象に指定したと説明。発表では、A7ネットワークは、すでに制裁対象になっているイラン最大規模のデジタル資産取引所ノビテックス(Nobitex)ともつながりがあったと述べた。
また、A7ネットワークは、北朝鮮の仮想通貨取引所への攻撃などに関連する取引に関与していたとも指摘した。
なお、A7ネットワークに関与する「A7 LLC」などの複数の主体はすでに制裁対象に指定済み。今回は範囲を広げてA7ネットワーク自体を対象にしている。
財務省のスコット・ベッセント財務長官は発表で、以下のようにコメントした。
オペレーション・エコノミック・アウトキャストを巡ってはOFACが先月、イラン人金融家ババク・ザンジャニ(Babak Zanjani)氏系列の仮想通貨取引所BitBankを制裁対象に指定したと発表した。
財務省によると、BitBankは6月から7月にかけて数億ドル相当のビットコイン( BTC )をIRGCへ送金する経路として使われていた。

