米証券取引委員会(SEC)委員長のポール・アトキンス氏は2日、仮想通貨保管規則案に関する声明で、同提案を単独の措置ではなく一連の継続的な規制整備の一部だと位置づけた。
同氏は、規制執行偏重からの転換を進めてきたとした上で、2025年12月以降に実施した複数の施策を列挙した。
具体的には、2025年12月に寄託信託会社(DTC)の証券トークン化実証プログラムについて、法的措置を取らない方針を示す『ノーアクションレター』をスタッフが発出したほか、2026年1月にはトークン化証券の分類基準を示すスタッフ声明を公表した。続いて、どの仮想通貨が証券に該当するか、また投資契約の対象から外れる条件を明確にした。
4月にはトークン化証券の取引準備に使われる特定のユーザーインターフェースについて、ブローカーディーラー登録義務の該当性を示すスタッフ声明を公表した。
8月には特定の仮想通貨関連投資契約を対象とした新たな募集規制「レギュレーション・クリプト・アセッツ」(Regulation Crypto Assets)を提案したほか、直近では全米市場システム(NMS)対象株式のトークン化取引を後押しするイノベーション適用除外措置も導入した。
一連の施策に加え、SECは2日、登録投資顧問会社や規制対象ファンドに対し、一定の条件下で仮想通貨の自己保管を認める規則案を発表した。1940年投資顧問法と投資会社法に基づく現行の保管規則の多くはインターネット普及以前に策定され、伝統的資産のみを想定していたため、実務に即した枠組みへの刷新を目指している。
アトキンス委員長は、新たな規則案により投資顧問会社やファンドに仮想通貨を保有するための適法な道筋が開かれると説明し、オンチェーン(ブロックチェーン上)の市場を国外に追いやったり、不適合な規制の枠組みに無理に当てはめたりするべきではないとの考えを示した。
米上院は9月15日、クラリティー法案の採決に向けた討論終結動議を49対50で否決し、可決に必要な60票に届かなかった。
採決から2週間後の25日、SECの企業金融局は、トークン買戻しプログラムや稼働中のシステムでの通常のアップデートが投資契約に該当するかを整理したFAQを公表した。ネットワーク稼働後の買戻し発表は経営努力の約束に当たらない一方、稼働前の発表が保有者への利回りを示す場合は経営努力の約束とみなされ得るとした。
アトキンス委員長は声明で、規制整備は道半ばだとして、トランプ大統領とともに米国を仮想通貨大国として位置づける取り組みを続ける方針を示した。

