イーサリアム・フランス代表のジェローム・ドゥ・ティシェイ氏は1日、Xで、イーサリアム( ETH )の発行量削減案「EIP-8363」を次期アップグレード『ヘゴタ』の検討対象から撤回すると明らかにした。同提案はイーサリアム開発者向け議論フォーラム「イーサリアム・マジシャンズ」で200件超のコメントを集め、同フォーラム史上最も議論を呼んだEIPの一つになっていたという。
同氏によると、ヘゴタの実装候補入りを検討する「CFI(Consideration For Inclusion)」プロセスが進む中、業界関係者やコア開発者から、発行方針の変更をフォーク作業の枠組みで決めるべきではないとの意見が相次いで寄せられた。
ドゥ・ティシェイ氏はこの指摘に同意した上で発行方針に独立した専用プロセスを設ける方針を示し、支援を申し出た流動性ステーキングプロトコル大手のリドファイナンスに謝意を示した。
EIP-8363は、イーサリアム財団のジャスティン・ドレイク氏らが8月4日に提案した「漸減型発行量燃焼(Tapered Issuance Burn)」案で、ステーキングされたETH量の増加に応じて報酬の燃焼割合を引き上げる仕組みだ。供給量の約半分にあたる6,025万ETHに達した時点で燃焼率が100%となるよう設計され、約18カ月かけて段階的に導入される計画だった。
同氏は提案の狙いである、ステーキング比率の上昇がイーサリアムの安全性や中立性、ETHの通貨としての役割に与える影響への懸念は変わらないとした上で、セキュリティやバリデーター構成、ソロステーカーへの影響など5つの論点に整理し直したことを明らかにした。
8月時点で全ETH供給の約34%がステークされており、提案が実現すれば年間のステーキング利回りは約2.6%から1.2%に低下する見通しだった。
ETH保有企業シャープリンクCEOのジョセフ・チャロム氏は8月、同提案について「分散型金融(DeFi)を損なう」として反対の意向を示していた。また、DeFi大手アーベ創設者のスタニ・クレチョフ氏も当時、提案を「イーサリアムにとって有害」と評していた。
今回の撤回発表を受け、クレチョフ氏はドゥ・ティシェイ氏の投稿を引用し「良い判断だ」と反応した。イーサリアムは『グラムスターダム』に続く『ヘゴタ』の仕様策定を進めている最中で、共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は日曜のブログ投稿で、ヘゴタについて2015年当時の技術が通用する最後の通常型フォークになるとの見方を示していた。
.jpg)
