*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコイン( BTC )は、日本時間9月21日夕方から22日朝にかけて急騰し、一時8万7,000ドル台を回復した。円建てでは約100万円幅の上昇となった。
上昇の背景には、中東情勢を巡る警戒感の後退と原油価格の急落がある。トランプ大統領がイエメンの親イラン武装組織フーシ派への攻撃を見送る方針であることが報じられ、イラン情勢を巡る地政学リスクが後退した。加えて、サウジアラビアからの原油出荷量が増加したことも伝わり、原油価格は一時5%近く急落した。
原油価格は直近まで約4カ月ぶりの高値圏で推移していた。原油高が長期化した場合、インフレ圧力の再上昇を通じて米国の金融緩和期待を後退させるほか、電力価格の上昇を通じてビットコインマイナーの採算を悪化させる可能性がある。
今回の原油価格の下落は、こうしたビットコイン市場に対する懸念を和らげ、買い戻しを促したと考えられる。
成行注文の動向を見ると、現物市場を中心に買いが優勢となっている(下画像青枠)。実態を伴う現物需要が価格上昇を支えているとみられる。
上昇を加速させたのが、積み上がっていたショートポジションの清算である。価格上昇に伴って売りポジションが相次いで清算され、強制的な買い戻しがさらなる上昇を呼ぶ展開となった。
オプション市場を見ると、9万ドル~10万ドルの価格帯にコール建玉が多く入り(下画像赤枠)、プットコールレシオ(PCR)は低下しており(下画像黄枠)、市場参加者の目線は急騰したにもかかわらず、上目線であることがわかる。

今回の上昇は、原油価格の低下をきっかけとして、市場に積み上がっていたショートポジションが一気に清算されたことが大きく影響したと考えられる。
大規模なショート清算を伴って急騰した反動から、短期的には利益確定売りなどによる調整局面に入る可能性がある。ただし、現物市場では買いが優勢であり、オプション市場でも強気姿勢が維持されているため、心理的節目となる9万ドルを目指す展開になる可能性があるだろう。
一方、年末にかけては複数のリスク要因が残る。米中間選挙の結果次第では、米国の暗号資産政策を巡る期待が変化する可能性がある。また、アンソロピック社をはじめとする大型IPOへの期待が高まれば、投資家のリスクマネーが暗号資産市場から株式市場へ振り向けられる可能性にも注意が必要である。
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