米ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は26日、金ETF「SPDRゴールド・シェアーズ(GLD)」とビットコイン( BTC )現物ETF「iシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)」が、米国ETFの売買代金ランキングでトップ10に返り咲いたと指摘した。
背景にあるのは、スコット・ベッセント米財務長官による国債買い戻し拡大策をきっかけとした「デベースメント・トレード」の再燃だ。CNBCは8月25日、財政赤字への懸念が強まる中、金や仮想通貨といった実物資産に投資家が資金を振り向ける動きがウォール街で勢いを増していると報じた。
ベッセント氏は8月19日から20日にかけて、長期国債の買い戻し枠拡大を表明した。長期金利の押し下げは1日限りにとどまった一方、米ドル指数は8月に入り2.43%下落し、金とビットコインが上昇するという持続的な市場シグナルが生じたとブルームバーグは伝えている。
仮想通貨運用会社21シェアーズでマクロ責任者を務めるスティーブン・コルトマン氏はCNBCの取材に対し、財務省による買い戻し規模自体は市場全体からすれば僅かだが、そのシグナル効果は非常に強かったと述べた。
26日時点のランキングでは、GLDが3位(売買代金約40.2億ドル)、IBITが7位(同約22.4億ドル)につけた。首位のQQQ(111.9億ドル)、2位のSPY(107.5億ドル)には及ばないものの、上位グループに位置する規模だ。
価格面では、IBITが8月17日の36.42ドルから24日には44.64ドルまで1週間で22.57%上昇。GLDも同期間に405.49ドルから426.69ドルへ5.23%上昇しており、売買代金の増加は実際の資金流入を伴っていることがうかがえる。
半導体関連ETFも依然としてランキング上位に残っている。レバレッジ型の「ディレクション・デイリー・セミコンダクター・ブル3倍ETF(SOXL)」が4位(37.1億ドル)、「iシェアーズ・セミコンダクターETF(SOXX)」が9位(20.6億ドル)、「VanEck半導体ETF(SMH)」が10位(20.2億ドル)につけている。
バルチュナス氏は、こうした半導体ETFの存在感は今も大きいとしつつ、その度合いは「夏場ほどではない」との見方を示した。
「デベースメント・トレード」とは、財政赤字拡大などを背景に法定通貨の実質価値が目減りするリスクに備え、金や仮想通貨など供給量が限られた資産へ資金を振り向ける投資行動を指す。同様の現象は2025年10月にも一度発生しており、今回はその再来といえる。
米メディア24/7 Wall Stは、直近1年間でGLDが37.38%上昇した一方、IBITは32.62%下落しており、両資産が同じ資金の流れに乗っているとは言い切れないと指摘している。