JPモルガン・チェースは2025年10月、予測市場運営会社Polymarket(ポリマーケット)との銀行取引を打ち切り、新たな金融機関への切り替えを求めていたと、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が15日報じた。
ポリマーケットはすでに別の金融機関へ口座を移管したが、移管先の名称はFTも特定できなかったという。ロイターも同日夜、事情に詳しい関係者の証言として口座解消の事実を独自に確認したと報じた。JPモルガンはFTの取材にコメントを拒否している。
報道によれば、JPモルガンは口座解消後もポリマーケットとの関係の一部を維持している。同社が将来的に新規株式公開(IPO)に踏み切った場合の引受業務への関与を狙っており、2月にはマイアミで開催した富裕層向けプライベートバンキング顧客向けイベントに、ポリマーケットのシェーン・コプランCEOを元NFL選手のトム・ブレイディ氏とともに登壇させたという。
ポリマーケットの広報担当者はFTに「複数の事業体、業務上の連携、顧客資金フローの取り扱いを通じ、JPモルガンとは緊密で活発な関係を維持している」とコメントした。
JPモルガンによる口座解消は、米国で「デバンキング」と呼ばれる問題の一例として位置付けられる。トランプ政権は2025年8月、デバンキングの実態調査と違反時の罰則適用を規制当局に指示する大統領令に署名した。JPモルガンは2025年11月にも、決済企業ストライクのジャック・マラーズCEOやShapeShift幹部の口座を閉鎖しており、同様の批判を受けてきた。
FTは、CFTC(米商品先物取引委員会)がポリマーケットを調査中とも報じている。CFTC広報担当者は6月、The Blockの取材に対し調査の有無について確認も否定もできないとしていた。FT・ロイターとも、今回の口座解消が規制当局の指示による政治的な動きだったとは報じていない。
ポリマーケットは評価額200億ドル超を掲げ、10億ドル規模の資金調達交渉を進めていると8月4日にReutersが報じた。2025年10月にはニューヨーク証券取引所(NYSE)親会社インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)が最大20億ドルの出資に合意し、評価額は90億ドルとされていた。
一方、予測市場を巡る規制環境は厳しさを増している。7月の取引高は競合カルシが400億ドルに達したのに対し、ポリマーケットとポリマーケットUSの合計は129億ドルにとどまる。今週にはボルティモア市がカルシとポリマーケットをスポーツ関連契約を巡り提訴したほか、ワシントン州裁判所はカルシに大半のサービスの停止を命じた。

