暗号資産(仮想通貨)分析プラットフォームCryptoRankは21日、2024年以降にローンチされたトークンの厳しい実態を示すデータを公開した。時価総額が1億ドルを超えるトークンのうち、TGE(トークン生成イベント)時の価格を上回っているのはわずか7.1%に過ぎないと指摘した。
CryptoRankによると、2024年から2026年にかけてローンチされ、現在時価総額が1億ドルを超える113のトークンのうち、TGE時の価格を上回っているのはわずか8銘柄にとどまる。残る105銘柄はすでにTGE価格を下回っており、中央値ベースの騰落率は-95.7%に達した。
CryptoRankは、TGE価格から上昇もしくはその価格を維持している8つのプロジェクトのうち、以下の上位4銘柄を取り上げて紹介している。
CryptoRankは、新規発行トークンの多くがTGE直後の初値を維持できず、長期に渡り大きく値下がりしていると指摘。その中で、TGE後も好調なパフォーマンスを維持しているプロジェクトは例外的な存在だとしている。
この現状を踏まえ、CryptoRankはX投稿で「TGE直後にエアドロップされたトークンを売却すべきか」と問いかけ、検討材料として以下のデータを示した。
この中で、ハイパーリキッドのエアドロップは、割り当て分がTGE以降に中央値で約35倍に増加するなど、保有者に大きな利益をもたらした唯一の事例として突出した成果を上げている。
CryptoRankの示した新規トークンの厳しい現状は、他の調査結果とも一致する。
仮想通貨リサーチ会社Memento Researchの分析によると、2025年にローンチされた118のトークンのうち、100トークン(84.7%)の完全希薄化後評価額(FDV)が上場価格を下回り、FDVの中央値はTGE時の水準から71%急落した。時価総額の中央値も67%下落している。
また、調査会社Delphi Digitalは6月に公開したレポート「トークン市場の現状」で、平均的なトークンの価格は上場後の期間の約70%をTGE価格以下で推移しており、上場後の価格低迷が一般的な傾向となっていると説明した。
ベンチャーキャピタル(VC)の支援を受けた多くのトークンは、上場直後に価格が急騰する一方で、その後は長期間にわたる下落局面に入る傾向があるという。また、2025年1月以降に中央集権型取引所(CEX)へ上場した652銘柄を分析したところ、中央値のリターンはマイナス82%となり、全体の半数以上が価値の80%超を失っていた。
Delphi Digitalは、トークンの発行構造やロックアップ解除のスケジュール、価値還元の仕組みに構造的な欠陥があると見ている。その結果、一般投資家が長期的な損失リスクを負う一方で、創業者やVCなどの内部関係者は上場直後の価格急騰の恩恵を受けやすい市場構造になっていると分析した。