米連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォーシュ議長は14日、米下院金融サービス委員会の公聴会で、仮想通貨業界が危機に陥った場合でも救済を行わない方針を示した。同氏がFRB議長として初めて臨む議会証言での発言。
民主党のブラッド・シャーマン下院議員から、ステーブルコイン発行体が破綻するなど業界全体に取り付けが起きた場合の対応を問われたウォーシュ議長は「われわれは救済業務を行いたくない、その一点に尽きる」と述べた。
続けて「そうした極端なリスクを抑えるためにできることはすべて行う。誰も、仮想通貨を含めて救済しない立場でありたい」と語った。
ウォーシュ議長は2008年の金融危機当時、FRB理事としてベン・バーナンキ議長(当時)の下で危機対応に関わった経緯があり、大規模な資産購入や2020年のコロナ禍における緊急融資制度の運用に長らく批判的な立場を取ってきた人物として知られる。
今回の証言でも、FRBが持つ緊急融資権限(連邦準備法13条3項)を将来的にどこまで発動するかについては具体的な言及を避けた。
下院金融サービス委員会のマキシン・ウォーターズ議員(民主党)からは、政府関係者が監督対象の仮想通貨業界から利益を得ている問題についても質問が及んだが、ウォーシュ議長はこの点への明確な回答を避けている。
ウォーシュ氏は上院で承認を受け、5月15日にFRB議長へ就任した。今回の証言は、FRB議長が半年に一度議会に出席する「金融政策報告」に基づくもので、翌15日には米上院銀行委員会でも証言する予定。
仮想通貨・ステーブルコイン関連では、FRBが担う制度整備の期限が7月18日に迫るジーニアス法の論点も、今後の議会証言で取り上げられる可能性がある。
