インド証券取引委員会(SEBI)は10日、社債をトークン化するパイロットプロジェクト「Demat 2.0」を開始したことを発表した。
発表では、現時点ですでに3社が実際に社債を発行したという実績も紹介。スマートコントラクトなどの新しい技術を使い、社債の発行や償還などの処理を速めたり、効率性を高めたり、間違いを減らしたりしようとしている。
プレスリリースによると今回の内容は、インド準備銀行(RBI、中銀)のサンジャイ・マルホトラ総裁とSEBIのトゥヒン・カンタ・パンディ委員長によって、インド開催のイベントでも発表された。一方でSEBIは書面で内容を公表している。
Demat 2.0とは、プロジェクト名であると同時に、社債の新しい発行・保有・取引・決済方法をテストする市場インフラの名前でもある。社債を分散型台帳上でデジタルトークンとして発行する仕組みで、台帳は指定の預託機関が所有している。
また、インド準備銀行の金融機関向け(ホールセール型)の中央銀行デジタル通貨(CBDC)に紐づけられていることもDemat 2.0の特徴の1つで、資金の支払いと資産の受け取りを同時かつ不可分に行う仕組みを導入した。他にも、スマートコントラクトによって、利子の支払いや償還などが自動化されるという特徴もある。
発表では、米国など他国で社債がトークン化されている事例を挙げた上で、その事例の多くは個々の発行体が別々のプラットフォームでトークン化を行っていると指摘。その上で、以下の特徴を満たす国はインドが初めてであると主張した。
プロジェクトの現状については、すでに3社がトークン化社債を発行したと説明。発行額は合計で102.5億インドルピー(約165億円)だと述べている。
まずは2026年9月7日に「REC Limited」という企業が、トークン化社債の発行によって50億インドルピーを調達。投資家の数は18だった。
次に同9日、「L&T Limited」が50億インドルピーを調達しており、投資家の数は4。また、同日に「IIFL」が2.5億インドルピーを調達し、投資家の数は1だった。
発表では、Demat 2.0は段階的に進めていくと説明。第一段階としての発行を今後も進めた後、既存のRFQ(Request for Quote、マーケットメイカーによる価格提示を通じた売買)プラットフォームでの売買に拡大したり、個人投資家にアクセスを提供したりしていく計画だとした。
なお、今回発行される社債については、規制の枠組みなどに変更はなく、所有権を記録する技術が変わったと説明。新たな有価証券や資産クラスを作る試みではないとした。