仮想通貨ジーキャッシュ(ZEC)が、2016年の取引所上場直後の乱高下を除けば約10年ぶりとなる1,000ドル台に到達した。資産運用会社グレースケールが手がける現物ETFへの資金流入や、マイニング参入の増加が相場を押し上げたとみられる。
同ETFは8月25日にニューヨーク証券取引所アーカで取引を開始し、グレースケールの信託を転換して設定された米国初のZEC直接投資型ETFだ。グレースケールのデータによると、上場以来の純流入額は約3,440万ドル(9月3、4日分は未反映のため実数はこれを上回る模様)で、9月2日には単日で1,260万ドルを記録した。
ZECは前日比約7%上昇しており、過去一週間では28.8%高騰。時価総額は173億ドル規模に達し、価格集計サイト・CoinGeckoの集計ではドージコインを上回り時価総額10位に一時浮上した。
1,000ドル突破は空売りを行っていた投資家の想定を上回り、相場急変で保有ポジションの強制清算が相次いだ。デリバティブ分析サイト・コイングラスのデータによると、節目突破に伴い約3,450万ドル分の空売りが強制清算され、ZEC全体の清算額は約3,660万ドルに達した。
価格上昇を背景にマイニング参入も加速しており、仮想通貨データサイト・ジーキャッシュインフォによると、ネットワーク全体の計算力(ソルレート)は8月下旬の毎秒25GSolから一時毎秒30GSolを超える水準まで拡大した。
競争激化で採算は悪化し、マイニング機器大手ビットメインの最新機種「アントマイナーZ15 Pro」による1メガワット時あたりの推定収益は約708ドルとなり、ZECが900ドルを下回っていた8月24日時点の727ドルから約3%減少したと、エネルギー専門メディア・ジ・エナジーマグの分析は指摘した。
ジーキャッシュは2016年に暗号研究者のズーコ・ウィルコックス氏らが開発したプライバシー型仮想通貨で、モネロなどと並ぶ代表的なプライバシーコインとして知られ、送信者・受信者・金額をゼロ知識証明で秘匿しつつ取引の正当性を証明できる設計を持つ。