暗号資産(仮想通貨)ビットコイン( BTC )を中心とする金融プロトコル「バウンスビット(BounceBit)」は21日、独自トークンの不正流出を受けL1チェーン「バウンスビット・チェーン」を廃止すると発表した。
経緯としては、8月19日から20日にかけて何者かがバウンスビット・チェーンの組み込みプロトコル機能の欠陥を悪用し、9つのメインネットアカウントから不正にBBトークンを送金したことが判明。
約2億8,650万BB(事件発生時で約5億円相当)が14件の取引を通じ、約4時間52分かけて流出した形である。
バウンスビットによると、秘密鍵の漏洩、署名の偽造、ウォレット、ハードウェアデバイス、取引所アカウントへの侵害は発生していない。また、バウンスビットのCeDeFiストラテジー、Promo Vaults、Prime、およびRWA(現実資産トークン)製品も影響を受けていない。
バウンスビットは、すでに不正流出があった9つのアカウントに連絡済みであり、流出発生前のスナップショットに基づいて、9つのアカウントすべての残高を最初の不正取引直前の状態に復元すると述べた。
この復元はスナップショットと再発行プロセスを通じて行われるものであり、該当ユーザーが別途補償請求を行う必要はないとしている。
バウンスビットは可能な技術・運用上の選択肢を検討した結果、バウンスビット・チェーンを永久に廃止することを決めた。
この理由としてはまず、このチェーンはEvmosという技術基盤の上に構築されていたが、そのEvmos自体がすでに開発中止されていることがある。さらに、今回攻撃者が利用した脆弱性はこのEvmosスタックに内在する問題だった。
次に、バウンスビットの主要な製品・サービスは、すでにBNBチェーン上でも利用可能で、ユーザー活動もBNBチェーン側に集中しつつあったことがある。BNBチェーンに集約すれば、より成熟したセキュリティ・インフラのエコシステム、厚みのある流動性、より幅広いアプリやウォレット対応、圧倒的に大きなユーザーや開発者基盤にアクセスできる。
BBトークンは今後、BNBチェーン上でBEP-20トークン(BNBチェーン上で発行される標準規格トークン)として再発行されることになる。なお、攻撃者が送金した2億8650万BBは再発行されない。
残高は、2026年8月19日 21:02:35(UTC)のタイムスタンプを持つブロック番号20,697,260時の状態に基づいて設定される。バウンスビットはユーザーが何か行う必要はないとしており、これに乗じたフィッシング詐欺などに注意を呼びかけた。
バウンスビットは、2024年2月にブロックチェーンキャピタルとブレイヤーキャピタルが主導する600万ドル(約9.5億円)のシードラウンドを実施した。中央集権型(CeFi)の資産管理の仕組みと、スマートコントラクトを用いた分散型金融(DeFi)を組み合わせたCeDeFiプロジェクトである。
ビットコインなど主要仮想通貨を預けて利回り報酬を得る機能や、BBトークンによるデリバティブ取引、米国債やゴールドなどに基づくRWA(現実資産)トークンへのアクセスなどを提供している。
また、昨年には仕組み利回りサービス基盤「BB Prime」において、金融大手フランクリン・テンプルトンによるトークン化MMF(マネー・マーケット・ファンド)を基礎担保として導入した。