警察庁・金融庁など7省庁は7日、SNS上に広がる「なりすまし詐欺広告」への対策強化を求める行政指導を、グーグル・LINEヤフー・メタ・TikTok Japan・X Corpの5社に対して行った。
ディープフェイク技術で著名人の肖像や音声を無断使用した投資詐欺広告が流通し、SNS型投資詐欺の被害が拡大していることを受けた措置。行政手続法上の要請であり、処分には当たらない。
要請内容は主に3本柱で構成される。第一に広告主への本人確認の徹底だ。マイナンバーカードや商業登記電子証明書など電子的な認証手段の活用を求め、実施内容を2026年10月16日までに、実施結果を2027年3月16日までにデジタル庁へ報告するよう求めた。
第二に広告の透明性向上。広告主の名称や所在地、身元確認の有無に加え、生成AIを用いた広告である旨の表示を求める。第三に削除要請への迅速な対応で、刑法の偽造私電磁的記録文書等行使の罪や金融商品取引法第29条への抵触を念頭に置く。
警察庁の令和7年確定値によると、SNS型投資詐欺の当初接触手段はYouTubeが27.1%、Instagramが16.3%、TikTokが10.4%を占め、動画系プラットフォームでの被害が目立つという。
総務省は8月6日、インターネット・ホットラインセンターは8月7日、それぞれなりすまし詐欺広告を違法情報として明記するようガイドラインを改定した。7省庁は各社に審査基準や削除実績の報告も求めている。
SNS型投資詐欺やなりすまし広告への対策強化は、政府・与党内でここ数年議論が続いてきたテーマでもある。自民党のディープフェイク対策合同プロジェクトチームは2024年に「著名人ニセ広告等を利用したSNS型投資詐欺対策に関する提言」を取りまとめ、2026年5月19日には新たな提言を公表している。
同PT座長を務める平将明氏は、著名人の肖像を無断使用して投資助言を装い、金銭をだまし取るだけでなく「価値のない暗号資産」を購入させる手口があると説明している。株式やFXに限らず、暗号資産を装った勧誘も同様の被害構造にあるとみられる。