米スポーツ関連大手のファナティクスは27日、米上場企業BGCグループが保有する取引所・清算機関の取得契約を締結したと発表した。
ファナティクスはスポーツ用品の販売やスポーツカード事業などを展開する企業で、2025年12月から予測市場サービス「ファナティクス・マーケッツ」を運営している。一方、BGCグループは債券・外国為替・株式・エネルギーなど幅広い金融商品を扱う仲介・金融テクノロジー企業で、世界の大手銀行やヘッジファンドなどを顧客に持つ。
取得対象は、米商品先物取引委員会(CFTC)登録の指定契約市場(DCM)であるウォーターストリート・ラブスと、同じくCFTC登録の派生商品清算機関(DCO)であるシーエックス・クリアリングハウスの2社だ。ファナティクスはこの取得により、自社で連邦規制下の予測市場取引所を運営できるようになり、ファナティクス・マーケッツの取扱範囲を拡大する。
両社は市場データ分野でも提携する。BGCグループが持つ市場データ・分析力を活用し、予測市場の投資家心理と伝統的な金融市場データを組み合わせた新たなデータ製品を開発するという。
予測市場とは、スポーツや選挙結果の試合結果、経済指標の発表内容など、将来の出来事の結果に対して参加者が予想を出し合い、その予想に応じた取引を行う金融商品を指す。
ファナティクス・ベッティング・アンド・ゲーミングのマット・キングCEOは、BGCグループについて「金融サービス業界の専門家であり、最先端技術・イノベーション・優秀な人材を土台に事業を築いてきた点でファナティクスと共通している」と述べた。規制対象の取引所・清算機関の運営や取引技術、機関投資家向け市場インフラの専門性を持つ点が、理想的な提携先である理由だと説明した。
一方、BGCグループのジョン・アブラレージ共同CEOは、今回の取得を「BGCがデータ・分析力を拡大しつつ、機関投資家向けの専門性とファナティクスの消費者基盤を組み合わせる重要な戦略的一歩」と評した。同氏は、ファナティクスのDCM・DCO取得によってファナティクス・マーケッツの成長が加速するとの見方を示した。
ファナティクス・マーケッツは、米国23州と4つの海外領土でiOS・Android・ウェブ版を提供している。2025年12月の提供開始以来、取引に応じて特典が得られる「ファンキャッシュ」や「ファナティクス・ワン」といった会員制度を導入してきた。
複数の予測を組み合わせて取引できる「コンボ」や、可視化ツール「ファンビズ」、取引額の管理や自己責任での取引を支援するリスク管理機能も提供している。ファナティクス傘下では、パラゴン・グローバル・マーケッツが仲介業者、モートン・セント・トレーディング・インベストメンツが先物取引業者として、それぞれCFTCおよび全米先物協会(NFA)に登録されている。
米国では予測市場をめぐる競争が激しさを増している。
米大手スポーツベッティング企業ドラフトキングスは昨年10月、レールバードの買収を通じて予測市場事業に参入すると発表した。フラッター・エンターテインメント傘下のファンデュエルも、米デリバティブ取引所大手CMEグループと提携した予測市場プラットフォームの展開を進めている。