暗号資産(仮想通貨)分析企業クリプトクアントは2日、週間市場レポートを発表。ビットコイン(BTC)およびアルトコインの取引所への入金が急増しており、ボラティリティ(価格変動の大きさ)拡大の予兆となっている可能性があると見解を述べた。
今週、ビットコインは約5万8,000ドルまで下落し、この弱気相場における新たな安値を付けた後、現在は重要なサポートラインである6万ドル付近で推移している。
クリプトクアントは、もし6万ドルを維持できなければ、市場参加者全体の平均取得コストを表す指標「実現価格(Realized Price)」の5万3,000ドルに向けて売りが加速する可能性があると述べた。
なお、3日の記事執筆時点ではビットコインは反発し61,000ドル付近で推移している。最新の米労働統計局の非農業部門雇用者数発表で、6月の雇用者数増加が予想を大幅に下回っていたことなどを受け、市場で利上げ懸念が後退したことが背景にある。
クリプトクアントは、6月末に仮想通貨取引所へのビットコイン入金量が急増しており、1日あたり5万BTCを超えていると指摘。これは2026年に入ってから過去4回しか見られていない高水準だ。過去データでは、こうした規模の増加は多くの場合、価格が大きく動く前兆となっていた。
流入急増を主導しているのは大口保有者である。ビットコインの平均入金額が1BTCから2BTCへと倍増しており、このことは個人投資家ではなく、クジラ(大口保有者)や機関投資家がビットコインを取引所に移動させていることを示唆している。
大口保有者による入金は、歴史的に価格の下落圧力を示す先行指標となってきた。これは、大規模な取引主体による平均入金額の急増が日常的な取引ではなく意図的なポジション調整を示唆しているためだ。
6月下旬にはイーサリアム(ETH)の取引所への入金量も急増し、125万ETHを超えた。過去、ビットコインとイーサリアムの取引所流入が同時に増加する動きは、アルトコインを含む仮想通貨市場全体におけるボラティリティ拡大の先行指標となってきた。
アルトコインの取引所への入金件数は1日あたり約4万5,000件に達し、過去2か月間で最多となった。この動きは、5月初旬の8万2,000ドルから6月下旬の5万8,000ドル以下へのビットコインが下落する前に見られたパターンと同様だ。
過去データでは、この水準を超えることは、仮想通貨価格の転換点やボラティリティ拡大の予兆となっていた。クリプトクアントは、市場参加者にはより一層の警戒が求められると結論している。
最近はビットコインの底打ちがいつになるか様々に議論されているところだ。ビットワイズの最高投資責任者(CIO)マット・ホーガン氏は1日、ビットコイン・トレジャリー企業最大手ストラテジーが発行した優先株の急落は相場サイクル終盤の典型的な現象だとして、今年の秋には新たな強気相場に入ると予測した。
一方でJPモルガンは、下半期の市場回復にはストラテジーの米ドル準備金拡充と米クラリティー法案の成立が必要だと見ている。
関連: ビットコイン(BTC)の今後・将来性【2026年6月】有識者7名の価格予測と2030年シナリオ